色眼鏡

某有名ブログの米欄で、一般の方と思うけど、ネット医者の発言に疑問を呈する、みたいな発言があった。
「ネット医者の発言は、攻撃的すぎないか?」

「いやなら辞めろ。代わりはいくらでもいる」という、あれに対して、だ。
そういった過激な発言は、医者の世界の狭さとか、他業種への敬意の欠如とか、云々。
誠にごもっともとしか言いようがない。

で、そういう「いやなら委員会」発言が出てくる少し前の時期、マスコミはどうだったか、というと、見るに耐えない報道ばかり。
2000年になったあたり。新聞を見て、腹ばかり立てていた。
今思えば、なんであんなことに反応していたんだろう。
患者家族に説明していても、おどされたり、非難されたり。変な時代だった。過労死寸前で、当時は真剣に死のうかと一瞬思っていたこともある。何がしかの支えで乗り切ってきたが。


でも、世の中には、すばらしいことばかり。医者って、素敵な仕事だ、と少し思えるようになってきた。
自分、頑張りすぎていたんだよなあ、と思う。今は青い空を見上げて、寝転んでいるよ。

この仕事、思う通りに行かないことは結構ある。運命の残酷さみたいな。
でも、ちょっとでも、患者さんたちと、いい関係が築けたらいいな、と願う。

だから、いやなら、やめてもイインダヨ。笑って生きていけない人生なんてつまんない。
若い時の苦労はしたほうがいい。体力もあるし、少々馬鹿でも大目に見てもらえる。でも、10年頑張れば、代わりの道はいくらでもあるんだよ。