曳かれるウシが辻で見廻した秋空だ

卒後研修が揺れている。
期間を1年に短縮するとか、専修科目を減らすとか。
研修の地域指定を強制するなどの話もある。

当初の表向きの目的は、幅広い知識と経験を若手に積ませることだったはず。
それが、裏目的の「医局人事支配の剥奪」がものの見事に成功した。
結果、現状の地域医療崩壊につながる。

小生も入局が終身雇用入社と考えていた時代の人間だが、
ジッツの地方病院がこの有様では、若手への説得力は皆無に等しい。
なんだか20年持っていた株券が突然無価値になった気分だ。

行政も、本音をはっきり言えば良いと思う.
少なくとも、制度を決めている人たちは、若手医師の成長とか人生とか
少しも考えていないと思う。

つまるところ、若手の医師とは、
入試という競りで分別され、
医学部という牧場で育てられ
消費社会へ売られていくウシなのだ。

いみじくも、現状をドナドナと評していた人がいた。
医学を志す若者の希望を損なうと、本当の崩壊を迎えることになる。