世の中に絶対ということがあるとすれば死だけだ。

最近肺がんでお亡くなりになる著名人が多い。
マルボロを日に3箱吸ってらっしゃった方。肺がんが発覚しても吸い続けてらっしゃったという。
かなり昔に禁煙されて、トライアスロンに出場されるような方もいた。誠に残念である。


タバコに限らず、毒物の疾病感受性には個人差があるので、一概に言える物ではない。
統計で危険率が何倍に上がろうと、個人レベルでは運不運がある。


慢性閉塞性肺疾患は吸わなければ起きない。(大気汚染のリスクを除外すれば)因果関係は明らかである。
そういう事情が明らかで、在宅酸素をしながらも喫煙する人がいる。
火事になりますから、それだけは止めてくださいと真顔で説得。でも聞く耳持たず。
肺炎で呼吸不全になり、挿管すれすれを彷徨い、深夜真剣に心配されるご家族に説明する度に虚しくなる。泣いている奥さんが気の毒になる。

悪くなる要因を自分でこさえて、やれ救命できなかったとご遺族に責め立てらることはないのだろうけども、内々何としても助けようというモチベーションが下がるのは否定できない。
そういう方々は無条件に自然な経過を受け入れていただきたいと思う。運命を選択したご自分の責任を率直に認めてほしいと思う。医療に過剰な期待はしないでほしい。することはするけど、その効果に関しては、という意味で。

人間という存在の矛盾というか限りない愚かさというか、それでも捨てられないプライドの無意味さとか、そういうのを感じる日々。