準備を

ここ数日、当直室や仮眠室の天井を見ながらかんがえていたこと。

おそらく、幾時代も、死と生は隣り合わせだった。
不衛生で乳児死亡率は高く、早婚多産で補った。
妊娠数が増えれば確率的に流産は増える。
女性達は精神とカルシウムをすりへらして子を産み続けた。

村々には追いはぎや辻斬りなど、理不尽な死があった。
裁判制度も変で、親の咎で何の罪も無い子が連座したり。
切り株を踏み抜いて感染しても、抗生物質破傷風トキソイドもない。死の種はあちこちに転がっていた筈だ。

今の時代がいくら変だったとしても、古にもっと酷いことはいくらでもあった。 
現在の地球上で起きている悲惨な出来事は、幾ばくの愚行が発端であり、あるいは避け得ることができたものかもしれない。

しかし、南アフリカの大陸で起きている飢饉状態は200年ほど前の東北にも存在し、どこかの国の偉大な頭領様を頂くシステムはどこかの国のいつかの時代にあった気がする。

思えば、今の時代の日本などが奇蹟に近いのである。もし何がしかの不満を感じるのなら、その原因をもう一度考え、自分に出来ることが無いか探すべきだ。物事には足るということは無いし、完全ということもない。そこに近づこうとする努力があるだけだ。

本当の意味での智慧とは、いろいろのことに頭を巡らし、準備を整えておくことだろう。
さしあたって必要なことは、来るべき災難にそなえること。

一般の方々には、是非人工呼吸や心マッサージの知識を持っていてほしい。
救急隊がかけつけるまでの数分が勝負なのだ。
「心肺蘇生 講習会」「救急蘇生 講習会」は時々各地の医師会や消防などがやっている。ネットで検索すればお近くで開かれているかもしれない。
大切な人を救う為にもぜひ御一考いただきたい。

日本ACLS協会が一般向けにも講習会を開いていますが、結構講習費が高い。教材も自腹である。しかし、蘇生訓練に使う人形は高価なのだ。