がん治療の常識・非常識

弾小飼先生の最近のエントリ
「直すか居直るか - 書評 - がん治療の常識・非常識」
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51053161.html

で、なんとも言えない違和感を感じた。
>昨今ネットを賑わせている「医療崩壊の立役者」的な医療の不手際の告発は見られず、改善された点もきちんと指摘し、ヒト、モノ、カネが足りていない分野もきちんと紹介しており、これなら現場の医療従事者たちも納得できるのではないかという仕上がりだ。
これに関しては、medt00lz先生のエントリーですっきりした。医者とマスコミがわかりあえない理由が。

「公平の対価」
http://medt00lz.s59.xrea.com/wp/archives/44#comments

Stage4の胃癌の50%生存期間が約1年と聞いて、
「長くなったなー」と感じるのが医者。
「そんなに短いの…」と感じるのが一般の方。

ケモに対する対価として、外来化学療法加算が十分とはとても言えない。そもそもDPCを導入したら、FOLFOX外来でやるのが当たり前。でも、すべての人に2日がかりで、持続注入器をぶらさげて帰せっこないし、時間外の対応体制なりで担当医は結構大変だったりする。理想を追求する度に締め上げられるのは自分の首。その辺の現場の苦心は制度作っている人には絶対見えないし、報酬にも反映されることはない。「入院はペイしない」法則だけで誘導したら、後に残るのは焼け野原の予感。

>「日本の医療はせっかくがんという「ラッキー」な疾病をアンラッキーなものにしてしまっている嫌いがある。」
死、とりわけ癌で死ぬことにラッキーもアンラッキーもないと思う。死はあくまでも死であり、人生の一部である。
死をどうとらえるかは当の本人。いきなり終わりが告げられて「ああそうか」と思う人もいるはず。
疼痛管理はともかくとして、医者がラッキーな死を保証するなんて…