嘲笑を覚悟で。

自分の限界は、ある程度頑張らないと見えてこない。
頑張らない生き方と言うのは、頑張った人でないと語る資格が無いと思う。

最近、若い医師が大学に残らない。
その理由は嫌と言うほど分かる。僕だって、大学を離れた時は重力が0.5Gくらいになり、宙を飛ぶくらいスキップしたくなったことを思い出す。

それを承知で、笑われることを書く。

医療でも何でもスキルを磨こうと思ったら、なあなあの環境では絶対に無理。凄い人がいる環境で厳しさに耐えないと、根本の部分が鍛えられないまま終わる。
若いうちは、それなりでいいと思ったら駄目だ。

だからこそ、中央の有名病院で研修したいんだ、という気持ちは分かる。そういう野心があれば、積極的に出るべきだ。
しかし、そういった病院は、大概上が有名どころの大学出身者で押さえられているので、余程の能力が無い限りは、後期研修以降残ることが出来ない。
医者、こと内科医にとって、一番伸びる時期は、基礎を押さえて応用に入る4−8年目くらいだと思う。その時期にどんな病院にいるかが勝負の分かれ目だろう。
大学医局にいて、幸い潰れていなければ、その辺の交渉はある程度可能かもしれない。

「頑張らない」という本を書かれた医師だって、初期研修は田舎の基幹病院で、これはと思う師匠に教えてもらい、大きくなったそうな。
亀仙人につき、カリン塔に登り、界王様に教わり、徐々にステップアップするのが理想と思う。でなければ、ピッコロやベジータに瞬殺されて終わり。
(1回殺されてるけど…)

あと、どのような研究をして、どのような論文を書いているか、調べるのは重要だけど、それが全てではないこと。
本気で研究したい人に、思い通りの研究をさせてあげられる環境は希有だと思う。

一昔前の医局にはそれなりにお金があり、他学部の誰もがうらやむ「時間を金で買う」環境があったものですが、いまはどうだろう。