発達あれこれ

もうかれこれ20年以上、発生学の本なんて読んだこと無いので、適当なのだが、
原腸の周囲にいろいろな臓器のもとが出来、それらが回転、癒合して様々な腹部臓器が出来る。
膵胆道系の複雑な形態やvariation、先天異常などは、その発生過程に深く関わっている。

例えば、膵のdivism。何で腹側膵と背側膵が癒合するなーんて訳の分からないことをしているのか、
さっぱり分からないけど、人智に預かり知らぬ深い意味があるのだろう。
複雑な形態は進化と新たな機能を与えるが、個々の発生プロセスにおいて形態異常という出来損ないを生じるリスクを増す。

最近の解剖学的知見やf-MRIの進歩は、発達異常やらautismに新たな理解をもたらしている。
近くを結ぶネットワークがすごく密で、本来つながるべき離れた連合野を結ぶネットワークが疎かという異常は、進歩のゆらぎがもたらした多型性といえなくもない。
その結果、サヴァンみたいな一部分突出したスペックの人がたまに出てきてしまう。
それが人間と言うものの宿業と理解すべきなのではないか。事実人類の科学技術の果実の多くは彼らによりもたらされたのである。

そう考えると、アンバランスならではの美しさを愛でることが出来なくもない。が、
自分の利益に拘泥した技術者が、よくわからん理屈を並べ立て、不必要に複雑なシステムを組み、高コストとなり、
若手が、こうしたらもっとシンプルに効率の良いフローが出来まっせー、といっても聞く耳なし。

最近当院の電子化委員会で理不尽な思いをした愚痴です。