当直あけも仕事は続く。

医師の長時間労働は医療安全に有害ではないのか−医師の勤務時間と医療安全に関する総説−

江原朗

http://pediatrics.news.coocan.jp/my_paper/shinpo4263_73_2006.html

>Rogersらは、合併症や診断の遅れや誤診が勤務体制変更の前後で差がなかったと論じているが[Rogers F, Shackford S, Daniel S, et al. Workload redistribution: A new approach to the 80-hour workweel. J Trauma 2005; 58: 911-916.]

考えれば当たり前のことである。
労働時間を長くすれば、単純にミスが増えるとは思えない。さもなければ、免許がいくつあっても足りない。

だから随分昔のシステムのままで大丈夫…と病院の上層部は考えてきた。医療行政の中の人も考えてきた。
若いうちはオーバーワークにも耐えられた。そもそも、どこを探しても代わりの医者なんていない、という現実でもあるが、ある意味青い思い上がりもあった。


それにNoを突きつけたのが、ここ数年の医療崩壊の流れだろう。医療者として忸怩たる思いもあるが、大方の医者は「崩壊止むなし」と思っているのではなかろうか。
この流れをひっくり返すには、受益者が意識を変えるしかない。
患者さんやご家族が「疲れきった医者に俺の(あるいは家族の)診察や検査や手術をさせるとは何事か!!」と怒るしか無い。
でも、代わりいないんだけどね。
パイロットに労働時間制限があるのに、なんで外科医にはないの?