いつまでもあるという奇跡

日本の医療は、ある意味奇跡だった。
医者は劣悪な労働環境に文句もいわず、黙々と支え続けた。

最近の状況はまさしく狂気で、あちこちで嵐が吹き荒れている。
いままで自分がどっぷり漬かって来た世界も姿を変えつつある。
新人医師が医局に入らない。
いままで地域を支えて来た伝統が、断絶しつつある。

でも、まちがいなく言えるのは、
どんな時代のどんな場所でも、その土地を故郷と思う人があるかぎり
医療が存在すること。
時には泣き、時には笑いながら、そして誰かの人生に寄り添う事が出来る、
そんな幸せな職業。
悲観的ではいけないと思う。
ここには夢なんてない。ただ、医術があるだけだ。