医療の市場化?

現体制を維持しながら、穏やかに舵を切っていくとしたら、開業医が本当の意味でオープンベッドを持つしか無い。
開業医が肺炎を診て、開業医がESDをして、開業医が虫垂炎を切る。
開業医は病院にベッド代を払い、患者にドクターフィーを上乗せして請求する。
患者は病院に食事代とか、薬剤代とか、手術室や機器類の使用代を払うことになる。
開業医の方々には自分よりはるかに凄腕がごろごろいる。眠らせるのは惜しい。

問題になるのは価格を誰が決めるかということで、現状のままの公定価格では開業医はまず乗って来ないだろう。技術料が安すぎる。
オープンベッドなら自由診療も認め、医者の技術差が目に見える形で反映されれば、面白いだろう。

入院費が高くなるのも、やむを得ないだろう。今までが安すぎたのだ。
清潔な寝具があって、適切な消毒がされていて、冷暖房が完備し、看護師数が基準を満たしている、急性期病院のベッドフィーが1日15,550円。高いのか、安いのか。
ちなみに、有床診療所のベッドフィーは8000円くらい。ビジネスホテルの方が高い。この事実を不気味と感じられませんかね。
ここまで、こんな価格体系がまかり通っていたのが諸悪の根源。

もっとも、なんでもかんでも自由化しちゃうとどこかの国の大停電みたいな事態になりかねない。
この国の医者どもは、聖人でなければならないと心底洗脳されているのだから、一旦市場化を導入して自分たちの本来の価値を知ってしまった暁には、結構怖いことになりそう。

でも、中途半端に診療報酬を上げても勤務医の待遇改善にはとてもつながりそうにないから、ありの話と思うのですが。