老人の暗いまなざし

今日、大先輩と飲んでいた話。

なぜ、あの戦争を1年早く終わらせられなかったのか。
あの1年で、死ななくてよかった多くの人材を喪った。
とりあえず、日本は復興したが、その過程で多くの禍根を残した。
それが今我々や若い世代に襲いかかっているのではないか?
根本的な問題は何も変わっていないのではないか?

彼は戦死した兄への読経を聞きながら育った。
今でもお経は暗唱可能という。
シベリア抑留者の悲惨な境遇も、決して話される事無く、生存者達は消えてく。
それにしてもロシア人はひどかった。
抑留者達がまずされたのは、無麻酔で金冠を剥がされた事。金歯である。生きた人間に対し。ある意味ナチス以上。




ねじまき鳥クロニクルで延々と暴力がくり広げられるシーンがあったな、と思いながら(あれは絶対映像化不可能だ)、もっとこうした話を聞きたかったのに、どうしてみんな何も話さないうちに死んでしまうのだろう、と感じた。自分がそうだったら、話したくないだろうけど。忘れたいだろうけど。それに、生き残った人間には当然負い目があるだろうし。

そういう話は聞く側にも重さを強いるだろうし。