アメリカ医療と皆保険制度

http://www.city.hiroshima.med.or.jp/hma/tayori/200505/200505-41.pdf
家護谷泰秀先生という方がアメリカ医療について解説されています。
現在オバマが無保険層を皆保険で救済するため必死の努力を続けています。

人道的には極めて正しいあり方ですが、大多数の国民には魅力的ではないようです。
高額の保険料の払える国民、保険料が払える企業に勤める国民、まだ大病の経験がなく無保険の状況を想像出来ない国民、
そういう方々に、皆保険の有り難さを理解して、相応の負担に同意していただくのは至難の業でしょう。


むしろ、日本で皆保険が曲がりなりにも運用されて来たのは奇跡に近いと思います。この国民が古来から持つ互助思想によるものでしょうか。それすら今後どうなっていくのか分かりません。


財政再建の名の下に、医療の効率化が題目とされて久しいです。大病院のDPC制度が本格的に導入されて、日本の医療も変わりつつありますが、すでにあちこちにゆがみが見受けられます。
そういったことに、まだだれも声を上げていません。


我が国の最近の政局は誠に興味深いのですが、医療福祉と財政再建の整合性をうまく解きほぐして説明する政治家を寡聞にして存じ上げません。難しい問題です。
でも、今すぐなら、オバマの数分の一の勇気と努力で成し遂げられる可能性はあります。これから老後を迎える方々の、本当の不安を理解している政治家は存在するのでしょうか。