暁のユル

その昔、新谷かおる氏のバイク漫画、ふたり鷹で、副部長にスキンヘッドのユルという人物が出てきた。(トワイライト・ユルだっけ?)
その人が並外れた耐久力で、一緒に走っていると夜が明けちゃうので、このあだ名がついた。
名前の由来は、ユル・ブリンナー。ウエスト・ワールドのサイボーグ真っ青のタフさ、ということか。
そのユルの走りが、上半身をぴたりとタンクに付けて、極力空気抵抗を少なくする、というものだった。

話は突然僻地医療に飛ぶ。
僻地医療は疲れる。
http://d.hatena.ne.jp/doctake/20081231
どくたけ先生とか
ちりん先生とかおっしゃってるけど、
僻地勤務医やった身でないとこれ分からない。絶対。

高速でバイクに延々と休み無く乗っていたら疲れる、といったら説明可能か?絶え間なく路面のギャップとか横風とか容赦なく襲う。ちょっとでも意識が離れたら、飛んでしまう。でも、車上には自分しかいない。代わりはいない。寝ていてもいつ呼ばれるか分からない。それが24時間、ほぼ365日。

僻地にいる人間は、極力空気抵抗を少なくするか、できるだけ楽なバイクに乗るか。間違ってもRZ250みたいなピーキーなマシンなんて選ばない。じゃないと続かない。あと、心を動かさない修練。臨床につきもののトラブルを最小限の動きで納める能力。

そんな類い稀な耐久体質の医者を探せればいいんだけど、なかなかいませんよ。
昔は医局がそれなりにローテートしてくれたのだが、その仕組みも一顧だにされず、叩き壊された。
誰が悪いんですかね?