地中海病院

http://ncode.syosetu.com/n0204e/novel.html

いわゆるweb小説ですが、巧みです。医療に関わる方も、そうでない方も、複雑な読了感におそわれることでしょう。

医療は利潤を追求すべきではない。
しかし、患者さんの求める物が、自分の理想とかけ離れた物であった場合、自分は今の形で医療を続ける自信はないです。
それは収入とか地位とかそういったものは関係ないです。

何を以て理想の医療とするかは難しい命題です。ただ、人はいつかは死にます。朝に紅顔ありて夕べに白骨となれる身なり、です。

今日もICUで新入院のご高齢の患者さんに人工呼吸器が装着されているのを見て、複雑な思いにかられます。
なにより、ICUを支える人的資源の貧弱さに寒気を感じます。
現場の医者の心意気だけです。
看護スタッフは主治医に泊まり込むように言いますが、主治医は連日の呼び出しで体力の限界に達しているのは見て取れます。

もはや現場の損耗率ははなはだしく、戦いを継続するのが困難な状況です。大学が元気な頃は新兵が送られてきましたが、今はそれも滞りがちです。