黒い炎

検査や治療が立て込んでいると、最後の方の治療が17時過ぎに開始になってしまいます。あるときご家族から「なんでそんなに遅くなるんだ。説明が無いのはおかしい」とひどく怒られました。「外来とか他の検査とかが立て込んでて」と話しても理解されず悲しかったです。以来、事前の説明の際には、他の検査がらみで時間が変動することは言うようにしています。

検査の合間に病棟に行って「遅くなりますけどコメンネ」なんて言う余裕あればいいけど、目の前の問題の解決に必死になっていて無理。誰かが伝えてくれればいいのだけれど、そこまで気の利くスタッフなんて存在しないし、そもそも医者以外の人手も全然足りない。
生活者と医療者の感覚と感情の落差はますます酷くなるようです。別に感謝してくれとは言わんけど、そういった医療とは直接関係の無いことで医者にストレスを与えてほしくないです。検査とか治療とかで既にプレッシャーかかってますから。

無意識の悪意が、得体の知れない黒いものを塗り付ける。それが日本中の勤務医の心の中に蓄積され続け、ちょっとしたきっかけで噴出してしまう。

で、裁判官様の他愛ないブログが炎上したり。
http://blog.goo.ne.jp/j-j-n/e/c93966cb11c31eb4d0b117a1acd008d3

自分も読んでみましたが、「ああ、そうか」としか思えませんでした。というか、この程度で腹立ててたら医者やってられませんがな。とてもじゃないけど。ここで騒いでいるのは本当に医師なのか。医師の仮面を被って悪印象を与えて喜ぶ人か。悶々としていたら、medt00lz先生が壮大なスケールで!まとめてくださいました。
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