辺境病院のつらさ

僻地病院に勤務する本当の辛さは、本来人的設備的に受け入れることが難しい超重症患者をどこにも送ることが出来ない時、身にしみる。
地理的に3次救急病院が百キロはなれている、とかより、送り先のココロの問題。
大学病院に患者を紹介しようとしたら、二回り下の学年の当直医から満床を理由に断られたり。貧弱な施設、専門外の疾患、一人でICU的なケアをする辛さ。
本来責めを負うのは地域医療のバックアップ体制だと思うが、遠方から駆けつけたご家族は、目の前の主治医に不満をぶつけるしか無い。
そういうことが重なると結構こたえる。
大学から来た若い当直医に、急変した患者さんに関する申し送りが事前に無かったことを罵倒される。いや、安定していた患者さんが突然悪くなるから急変なんだけど。
大学には大学のルールがある。大学病院の若手医師は僻地病院の中堅どころよりも偉いのだ。理不尽な目に遭う度に深くココロに刻まれた。味方になってくれるのは出身医局だけ。
もちろん他の医局の知り合いに電話一本入れれば、不快な思いをすることはないんだけれど。そういったはるか昔に培った人脈にどれだけ助けられたか分からない。多謝。