MSは実現可能か?

運動エネルギーは速度の2乗と質量に比例する。
換言すれば、3倍の速度を発揮する機体は9倍の出力のエンジンなりスラスタを有することになる。
有名な赤い機体も、搭載された核融合エンジンは976KWだったわけで、エンジンそのものは機体各部に設けられたモーターの電力を供給するにすぎない。件のパイロットはピーキーで稼働時間の短い機体のスラスタを有効に活用し得たがゆえの戦果であろう。
ちなみに、福島原発1号機の出力は460000KWであった。
さて、RX−78を作成するにはいかほどのお金がかかろうか、という議論する向きがあるようだが、まず1380KWを発生し、かつ戦闘機に収納し得るサイズの核融合炉を開発することが先決であろう。
もんじゅに1.2兆円をつぎ込んでも、いまだ実用化すらおぼつかないのである。
シリンダー型のスペースコロニーをつくるのにどのくらいかかるのか?
星新一だったか、北杜夫だったかわすれたけど、人類は太陽圏から出ることはないだろう、と言っていた。多分30年ほど前。
夢を大風呂敷で語るのもいい。
かって、ウイリアム・ヘンソンという人物が、空飛ぶ蒸気船という構想を1840年ごろ打ち立てた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%98%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3
当時としては荒唐無稽。各界の偉いどころから突っ込み満載にもかかわらず、彼はこれで起業しようとしたから驚く。
それから170年が過ぎた。カーボンファイバーの骨格をもつジェット旅客機が舞う時代をヘンソンは想像できただろうか。
ちなみにヘンソン機のスパンは46m、787は52mである。
夢を語るのはいい。
ただ、そんなピュアな夢しか語れないくらい現実はどうしようもないのかな、と考えると、うらさびしい。
政治をおもちゃにして、選挙と権力闘争に明け暮れる人のほうが、了解可能に思えるくらいだ。

おっと、言い過ぎたかな、これは失敬。