嘘を含んだ情報ほど役に立つ

かって、チャートとか国試内科学、あるいは STEPとかいう書物があった。
「おまえら、あんな嘘ばっかりの本を読むのか」既に医者になった先輩方に嗤われた。
「国内読むくらいなら、朝倉よめよ」
たしかにそう思う。今ならハリソン原書読めよ、と真剣に思う。

でも、、、朝倉しか信じなかった真面目な級友は、同じ年に国試を受けられなかった。


知識を頭の中に詰め込むには、スループット重視というか、質を犠牲にしてとりあえずの材料だけ頭に放り込むような場面が必要かもしれない。
ラフに全体像をまず把握して、落ち着いてから詳細な情報を検証する様な。
確かに今から思えば国試内科学は雑なお粗末な書物だった。
しかし、あれを丸暗記して臨んだ内科学の試験で、落ちた記憶が無い。

凡人には凡人の智慧があると思う。
あるいは、知的成長過程で、仮骨形成と、破壊、リモデリングは必要である。最初から完璧である必要はない。
あの頭のいい、司法試験を合格した方々が、STEPで産科学の概要を知ろうとして失笑されたのは、「一読して分かる」合理性を認めたからこそだろう。


医学を学ぶものは、過去の偉大なオーソリティーはともかく
自分より少し上の先輩が真の意味で師匠なのである。

#毎日勉強が必要>>自分