ただ一つ望む事

それは、勤務医師が、世間並みの定年年齢まで、誇りをもって働けるということ。

小生は過去、涙を流しながら去っていく勤務医を見て来ました。
辛い思いをして、薄い給与で公的病院に長く勤めても、若い優秀な医者が来ると居場所が無くなり、簡単に肩たたきされてしまう。病院の経営状況が悪化すると、真っ先に放り出されてしまう。年老いた勤務医とは誠にさびしいものです。
勤続20年とか30年とかで表彰されている事務看護職員を尻目に勤務医の立場は余りに弱いと思いました。
無論、今はそうではありません。でも、いままでがそうだったからこそ、再びそうなる可能性は十分にあります。
そうなると必然的に、自分の人生において何を選択するか、という話になるでしょう。医者が渡り鳥の様に消えてしまうのは、寒い冬が来るからなのです。


世は勤務医の悲惨な勤務状況を伝え、医学部定員を5割増にする。誠に結構な話だと思います。
小生の望む事は、ただ一事のみ。その多くが、勤務医として誇りを以て定年を全うされん事を、です。
折から、司法大学院卒業生の悲惨な末路がいわれています。政策で門戸を広げる人は、こぼれる者の運命を予想出来なかったのでしょうね。。