医学書に基づいて

K医師の無罪が確定する。小生の予想が外れた、ということは至極まともな素直な判断がなされたということだ。
K先生には心から、おつかれさまと言いたい。

お隣のK国を除く全世界に、類を見ない刑事裁判が終わった。

同地検の村上満男次席検事は「違反者に刑罰を科す(医師の)注意義務をどうとらえるかで、裁判所は検察と異なっていた。裁判所は臨床、検察は医学書に基づいており、判決のような考え方もある」とし、控訴しても裁判所の判断を覆すことは困難とした。

STEP、いわゆる国家試験の対策本は医学書に分類されない、というのは常識である。あくまで国試のための本である。
昔はこの類の本は大概国試予備校の講師や若手の医者が編集することが多かった。昔のは明らかな間違いも多かった。
小生の手にした婦人科の本は比較的志が高く、コラムにゼンメルワイスの生涯が紹介されていた。正しいことを言っているにもかかわらず、失意と狂気のうちに生涯を閉じた医者の話。それにしても、47歳で亡くなった割にはなんちゅう老け方してるんやろう。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%A1%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%82%B9


いずれにせよ、医者になって勉強するときは、きちんとした成書や、論文を検索することがほとんどである。自分の専門分野なら、原書を読まないと話にならない。
それだけの挟持と志を持ってやっている。あなどるなかれ。


外科系の臨床はほとんどが口伝で指導されるゆえ、師弟関係が異常に厳しい。最近はそうした世界についていけなくて、外科から他科へ転向する若手が多いと聞く。むべなるかな。